令和5年1月25日(木) 岩手教育会館カンファレンスルーム200において、令和5年度 消費者懇談会を開催致しました。参加者は消費者12名、協力団体5名、事業運営事務局である岩手県電機商業組合から5名の計22名でした。事前質問に回答する形式で懇談を進め、また当日も4Kテレビチューナーや2027年までに段階的に製造・輸出入が禁止になる蛍光管などの質問が出され話題が広がりました。コロナの影響もあり4年ぶりの開催ということもあり、いつもより多くの質問を頂き充実した懇談会となりました。

「令和5年度消費者懇談会」質問と回答

質問1.家電の修理と買い替えについて

昔みたいに近所に電気屋さん(大型店ではない)がないので修理を頼みにくくなりました。よく、直すより買うほうが安いと言われますが、本当のところどうですか。

小さい電気製品(ドアホンや換気扇など)の修理や工事はどこに頼むのがいいですか。大型店と個人商店それぞれの良さと不便さを教えてください。

 

【回答】

(小島) まちのでんきやが少なくなっていることは非常に悲しいです。基本的に修理はまちのでんきやに頼むのがいいです。買い換えた方がいいパターンは修理に係る部品が多くかかる場合です。大型店と地域電器店のメリットデメリットですが、大型店のメリットは値段が安い、品揃えがいいということです。まちのでんきやのメリットはアフターサービスです。またワンストップ、販売も配達も設置も同じ人になります。デメリットとしては大型店ではアフターサービスが有料になる場合が多い、まちのでんきやもなんでもかんでもただではないですが、ちょっとしたことでしたらすぐ駆けつけて無料で対応します。まちのでんきやのデメリットは、どうしても大型店よりは値段が高くならざる得ないということです。

 

(三菱電機) 修理に関しては製品の年数、使っている部品などの判断はまちのでんきやが上手かなと思います。近くにまちのでんきやがないときは岩手県電機商業組合のホームページをご覧になられたら良いと思います。

 

質問2.エアコンの節電について

岩手でもエアコンが普通に使用されるようになってきましたが、職場では節電のためと「冷房」ではなく「除湿」で使用することがあります。「除湿」のほうが電気代がかかるとも聞きます。「冷房」と「除湿」の使い方や、正しい節電の方法があれば教えてください。

 

【回答】

(小島) エアコンの冷房運転と除湿運転の電気代の差はほとんどないです。そもそも冷房運転は温度を下げることを優先し、除湿運転は湿度を下げることを優先します。暑いときは冷房運転、むしむしするときは除湿運転。節電で言えば運転切り替えよりも設定温度を何度にするかで変わってきます。高めの設定温度にする、外気の遮断をしっかりする、エアコンは立ち上がりに大きな電力を使うので30分程度の外出ならエアコンを切らず、1~2度設定温度を上げておき、帰宅後設定温度を元に戻すという方法が節電につながります。

 

(三菱電機) エアコンの冷房運転と除湿運転の電気代の差はないと思っていただいて結構です。設定温度については高めに設定して自動運転にすると風の強弱がある運転をします。節電で言えばフィルターをこまめに清掃していただくのが節電になります。それと外の機械の熱をふさがないようにすることです。周りに物を置かないことが節電になります。

 

(消費者O様) フィルターの掃除は自動でついているものもありますが掃除は必要ですか。

 

(三菱電機) 自動でついているものは機械に任せておいて結構です。業務用や小さなエアコンにはまだまだ自動の機能がついておりませんのでそういう場合はお気を付け下さい。

 

質問3.アース線について

冷蔵庫などの大型電化製品にはアース線があり、コンセントにもその機能がついているものがありますが使うことがありません。大丈夫でしょうか。

 

【回答】

(小島) 大型家電でアース線がついているものは是非繋いでください。つなぎ方が分からない場合は我々に聞いて下さい。アース線は万が一の場合の感電や落雷の被害を防ぐことが出来ます。コンセントの周りにアース端子がない場合は(電器屋さんのスキルにもよりますが)アース端子の工事が出来ますので是非頼んでください。主に電子レンジ、洗濯機ですね。

 

(東北電力) 水回りの家電にアースがついています。ぜひ繋いでください。

もし、アースが付いた家電が複数ありアース端子が1つしかない場合は同じアース端子につないでいただいて問題ありません。どうしても気になるようでしたらコンセント専用の漏電遮断器というものがあります。

 

質問4.LED蛍光管について

蛍光管をLEDに変えたいが工事は必要でしょうか。今までのものとLEDの違いを教えてください。

 

【回答】

(小島) この質問は蛍光管型LEDを蛍光管交換のイメージで交換するときに工事は必要かという意図だと思いますが、それであれば工事は必要ありません。説明書にグローランプを外すと書いてあれば守って設置してもらえば結構です。白熱電球、蛍光灯、LEDと照明が作られましたが、白熱電球の40Wが蛍光灯では40W相当で電力は40Wより低くなり、LEDではさらに低くなります。また、白熱電球、蛍光灯、LEDとなるにつれ寿命も長くなっております。1個の値段は高いですがトータルで安くなっています。LEDの特徴は寿命が長いこと。40000時間タイプでは1日10時間で10年もちます。またすぐに全開の明るさになります。また、水銀、鉛を含まないので環境にやさしいです。

 

(三菱電機) 盛岡市も今月からLED買い換えの補助が出ます。

配布の資料をご覧ください。交換するLED光源と照明器具の組み合わせが不適切な場合、事故の懸念があります。ランプを交換する頃には器具自体も10年位経っているのではと思いますので、メーカーとしてはLEDの器具への交換をお勧めします。器具の保証は大体10年位です。既存の器具に蛍光管型LEDを取り付けた場合、保証は器具を製造したメーカーではなく蛍光管型LEDのメーカーになります。また、国際的な条約で2027年までに蛍光管の製造、輸出入が禁止になります。

 

質問5.延長コードの使用期限について

最近延長コードに使用期限(2、3年または5、6年など)があることを知りました。家では10年以上使用続けている延長コードがありますが、使い続けて大丈夫でしょうか。また、三ツ口コンセントにも使用期限はありますか。

 

【回答】

(小島) この質問で延長コードの使用期限を見てみました。延長コードは見た目でおかしなところがないか(踏みつけられてつぶれている、ソケットの焦げ)や触って熱くないか、延長コードを差すときにゆるくないかを判断材料にして下さい。三口コンセントも同じです。また、コンセントの半差し、ソケットの埃、タコ足配線を避けて下さい。

 

(東北電力) タコ足配線などは火災につながるので避けて下さい。

 

(消費者I様) 延長コードの使用期限はありますか。

(質問者O様は、ネットのニュースで延長コードに使用期限があるという記事を読んだ記憶があるとのこと)

 

(小島) あるものもあると思いますが、逆に期限内でも何個も繋ぐなど負担をかけると溶けることもありますので、使用状況次第です。

 

(消費者Y様) コードをまとめるのは良くないですか。

 

(小島) まとめるならふんわり、ボックスなどへ。

 

(日立) 一般的には5年の使用期限です。ソケットの首のあたりの断線にも注意が必要です。

 

(三菱電機) 買った時の裏紙に2~3年とか5~6年とか表記されています。

 

(田中) 値段によって延長コードの太さが違うので、何ワットのものを使うかを考えるといいと思います。また、私の経験だと日当たりにあったものは早く悪くなります。

 

質問6.家電製品の使用期限について

 家電製品は一般的に壊れたら買い換える物、というイメージですが、安全に使うための使用期限はありますか?物にもよりますが、それなりの金額であるため動いているうちは買い換えるという決断には至りませんが・・・。

 

【回答】

(小島) 大型家電の標準が7~10年の使用期限です。10年も経つと省エネで機能が充実した家電になるので、買い換えた方がお財布的にも機能的にも良いと思います。

 

(三菱電機) 部品供給の可能年数が景品表示法で決まっており、冷蔵庫とエアコンで9年、テレビと電子レンジで8年、炊飯器、洗濯機、掃除機で6年となっております。それを目安にしていただければと思います。

 

質問7.省エネの分かりやすいツールについて

 「省エネ家電」とは言っても、これだけ電気代が高いと結局使わないのが一番となってしまいます。家電の種類も多く、メーカーも多い、電力会社も選べる時代、それぞれではなく「家一軒」という視点からの省エネについてわかりやすく教えてもらうツールはありますか?従来の家電を使用している場合と、すべて省エネ家電に変えた場合の電力料金の違い、など。

 

【回答】

(小島) 家一軒という視点からはありません。家電についてだけ言えば総務省の『しんきゅうさん』で家電の比較が出来ます。また、東北電力さんでは『よりそうeネット』の加入が前提ですがお客様センターに電話すれば適正プランを提案してもらえます。

電力自由化になっているので電力会社の比較ができるものがあれば我々の食いぶちにもなると思うのですが。

 

(三菱電機) 先ほど話題になった『しんきゅうさん』のチラシをご用意いたしました。チラシの裏面にはそれ以外の情報として『スマートライフおすすめbook』というものもありますのでネットで検索していただければと思います。

 

(東北電力) 消費電力の少ない家電に買い替えれば省エネになります。

家一軒という話になりますと、今リフォームの補助金がありますが、エアコンでせっかく冷やした熱が逃げるのを防ぐ窓のリフォームを検討されてもいいと思います。トータル的に電気の使用料も減ります。

 

(東北電力) リフォームというのは腰が重いので、熱が逃げないように窓にプチプチを貼ったり、夏場であれば日光を遮る工夫をしたりなどでも良いと思います。

 

(消費者Y様) 私たちは質問1にあるように、『直すより買う方が安い』とか質問2のように『除湿の方が電気代はかかる』とか真偽がはっきりしない情報にあふれています。先ほどの30分位の外出の際エアコンをつけっぱなしの方がいいというのを実際の数値で教えて欲しい。

 

(三菱電機) 先ほど話題に出た住宅性能が大きく関わってきます。エアコンを切るとすぐ暑くなる部屋ではつけっぱなしの方がいいです。高性能住宅であれば温度が保持されるので消してもいいかもしれない。一概に言えません。

 

その他の質問

(消費者O様) 1点目は、コードレスの掃除機は充電式なので使っていない間に放電し余計に電気量がかかってしまうのかという質問です。2点目は、NHK大河ドラマ『篤姫』の再放送が4K番組だったので見るために4Kチューナを買いに行ったら売っていなかったが、4Kテレビがどういうものかのおさらいと4Kのテレビは本当に普及させようとしているのかを知りたいという質問です。

 

(NHK 盛岡放送局) 4Kの普及率はおよそ25%です。NHKのBSも昨年12月に再編しました。4Kは走査線の数が多く綺麗という特徴がありますので普及を促進していきたいと思っています。

 

(日立) 4Kは目の細かさが2Kの2倍。テレビが50インチとか65インチとか大きくなれば目の細かさの違いが出る。逆に32インチなどでは差を感じにくい。大きい画面を買う方は4Kをお勧めします。

掃除機については、コード付きを主としてお使いいただきコードレスは2台目と考えて頂きたい。コードレスは強モードでは10分ほどで充電が切れる。弱で30~40分、でも吸引力が弱くごみが取り切れない。ですから、ちょっとしたごみを吸うときにコードレスを使うのがおすすめ。

また、充電タイプは携帯電話と同じでバッテリーが劣化していて吸わなくなります。

 

(小島) コードありとコードレスは便利さで差別化されています。電気代よりもごみを吸ってなんぼだと思います。また、節電という点では新しい掃除機の方が省エネになっています。4Kチューナーは東芝ではすでに販売されていませんが、4Kレコーダーにチューナーが内蔵されていればHDMIケーブルでつなげは4Kテレビを見ることが出来ます。

 

(日立) 基本的にチューナーというのは切り替わりの時期にメーカーが出すもので普及してくると販売しなくなります。BSの出始めの頃BSチューナーが、CSの出始めの頃CSチューナーが販売されるというふうに。今の4Kテレビは4Kチューナーがすでに内蔵されているのでチューナーの販売はしていません。

 

(消費者S様) 段階的に製造が禁止になる蛍光管ですが、介護事業を行っていて高齢者の方の生活をお手伝いすることが多いのでですが、その後の販売はなくなりますか。買いだめしておいた方がいいでしょうか。

 

 

(三菱電機) 三菱は製造を中止しております。他のメーカーは分かりませんが、概ねその前に止めてしまうと思います。売っているメーカーが少ないので蛍光管の値段も高くなっております。逆にLED器具は安くなっています。蛍光管2~3本買うなら器具が買えます。

 

(小島) 蛍光管は1年に2回値上げがありました。また、器具の交換はカチッとはめるタイプかどうかの確認が必要です。昔の配線のタイプでしたら我々にご相談ください。工事でカチッとはめられる器具を取り付けます。

 

(消費者O様) 工事費用はどのくらいですか。

 

(吉田) お店によりますが、うちは入替で1000円、引掛けシーリングですと部品代込みで1500円です。沿岸は安いと思いますので内陸では倍の値段かもしれません。

 

(田中) ホームセンターに工事費用の価格表が貼ってありますが、あれが一番高いかなと思って見ています。

年数が経っていてバネガ弱っている蛍光管器具に蛍光管より重い蛍光管型LEDランプを取り付けると落ちることがありますのでサポートが必要です。また考え方は人それぞれで、昨日90代の一人暮らしのおばあちゃんに頼まれて蛍光管を交換した際LEDを勧めたが、『あと2~3年しか生きないからいらない』といわれました。