令和7年1月21日(火) いわて県民情報交流センター アイーナ810会議室において、令和6年度 消費者懇談会を開催致しました。参加者は消費者13名、協力団体5名、事業運営事務局である岩手県電機商業組合から6名の計24名でした。事前質問に回答する形式で懇談を進め、最近起きた洗濯機の火災などその場でも質問が出されました。また東北電力㈱様からは情報提供として、岩手県営の水力発電由来100%のでんき「水ノチカラ」のプラン紹介があり、燃料費価格に左右されないので燃料費が高い時期は電気料金が相対的に安く、また環境負荷を抑えることができる岩手県限定のでんきであることが紹介されました。

「令和6年度消費者懇談会」質問と回答

質問1. ケーブルの収納について
 最近、電化製品のケーブルをまとめて収納するグッズをよく見かけます。家の整理整頓に便利ですが、以前にケーブルをまとめると熱をもつので危ないと聞いたことがあります。ケーブルをまとめて収納しても大丈夫でしょうか。

【回答】
(小島) こちらの質問はテレビの後ろの配線のごちゃごちゃしているところをプラスチックの箱などに収納するということの理解でよろしいでしょうか。(同意)

お固いことを先に申し上げれば、使用中のコードを収納するのはお勧めできません。しかしそういう収納グッズが販売されておりますし、どういう場合だと使用してもいいかなということを個人的に考えてみました。まずは几帳面にきちんと束ねるのはだめです。コードが痛むし熱を持ちやすい。ふんわりまとめる。

資料にありますように延長コードはPSEコと表示の入ったものが新基準適合品です。旧製品でコードの細いものなど熱を持ちやすいので使用はお勧めしません。電子レンジ、ホットプレート、炊飯ジャー、電気ポットなど電気を熱に変えて利用するようなものはコードが熱を持ちやすいのでコードをまとめての使用は控えてください。また、適正な長さのコードを使っていただくとまとめる必要がなくなります。

(パナ 伊藤様) テーブルタップはすべての口を使用すると容量オーバーになってしまう場合がありますのでご注意ください。また。コードを束ねるとモーターと同じ原理で発電してしまうことがありますのでご注意ください。これは掃除機でコードをテープの印まで引き出して使用しなければならないのと同じ理由です。電子レンジなどはアースをしっかり取っていただきたいと思います。

(岩手県消団連 I様) テーブルタップのお値段はいくら位ですか。

(小島) 長さや性能によりますが。数百円から3,000円位。高いもので6,000円というものもあります。新しい住宅ですとあらかじめコンセントが6個ぐらいついていますのでテーブルタップは必要ないのですが。また、テーブルタップも途中のコードのみを収納ケースに入れるようにしてください。

(岩手県生協連 Y様) テレビなどの電化製品自体のコードが長いのですが、それは交換できるのですか。

(小島) それは換えられません。

(パナ 伊藤様) 大体のメーカーの企画は1m50㎝です。テレビの真裏にコンセントがあるお宅ばかりではありませんのである程度の長さは必要となりますのでご了承ください。

 

質問2. LEDの取替について
 従来の電球、蛍光灯が生産終了となり、家中の照明器具をLEDに替えなくてはいけませんが、取替作業は自分でできますか。業者に頼んでの工事が必要ですか。その場合、どこに頼めばいいですか。

【回答】
(小島) 取替工事は自分でできるものもありますし、業者に頼まなければならないものもあります。1つの目安は換えたい照明器具のカバーを取ってみて直接照明器具とコードがつながっていれば業者に頼まないといけません。引っ掛けシーリングボディになっているものですとご自身で交換でる場合があります。気を付けていただきたいのですが、引掛けシーリングについているロックボタンを押さないで回すと引掛けシーリングが壊れます。そうなると業者に交換してもらわなければなりません。新しい照明器具を引掛けシーリング対応にしていただければご自身で交換可能です。まれに古いお宅ですと引掛けシーリングが薄いもので出っ張りがあるものがあります。これは新しい引掛けシーリング器具に交換工事が必要です。また、丸い形のものもあります。電球タイプは球だけ交換でLED化できます。

(岩手県消団連 K様) 蛍光管のものは管だけ交換でしょうか。器具自体交換でしょうか。

(小島) どちらもあります。蛍光灯タイプのLEDもあります。蛍光管型の器具の中に安定器というものがありますが、そちらをカットして直結状態に器具側を改造したほうが省エネ効率は良い。LEDバーという器具ごと交換もあります。器具ごと交換だと予算との相談もあると思います。

 

質問3. 省エネになる家電の使い方について
 電気量を少しでも減らすために、どんな方法があるのかを教えてください。

【回答】
(パナ 伊藤様) 消費者庁のホームページからの資料を使用してお話します。50型テレビ1時間の視聴で29kw。お子さんがゲームを止めて画面がブラックアウトしていてテレビの消し忘れに気づかないこともあります。1日1時間の節約で年間1050円の節約。また、テレビをダイナミックモードで観ているよりオートでご覧いただければ省エネになります。

エアコンなどはドアの開閉を少なく、レースのカーテンなどの使用、1時間程度の外出ですとエアコンを切らないほうが省エネ。

東北電力さんの『よりそうeねっと』などを利用するとどのような使用方法が省エネになるかわかります。

意外と知られていないのが、エアコン室外機です。周りに物を置かないことが省エネになります。

冷蔵庫では温かいものは冷ましてから入れる、庫内の温度設定を季節により適宜変える。冷蔵庫はすかすか状態、冷凍庫はパンパンに詰めるのが省エネです。

照明器具LEDですが、蛍光灯は2027年で終了です。LEDに交換しますと省エネ効果は得られます。器具を交換しても1年程度でイニシャルコスト(初期費用)が回収できるものもあります。リビングなど器具の値段が高いものでも5年ぐらいで回収できますので是非交換して節電して下さい。

 

質問4. ホットマンについて
 ホットマンを使用しているが、パワーに3段階のモードがあり、そのほかに風量が強・中・弱・微風がある。どれに設定すれば効率よく温まり、かつ節電になるのかわからないので教えてほしい。

【回答】
(小島) ホットマンは富士通ゼネラルの商品ですが生産を終了しております。類似の商品でサンポットさんの商品があります。ホットマンとの互換性があります。サンポットさんの資料を参考に回答致します。点火時のワット数は780ワット、運転時は50ワット、待機時は1.5ワット。これらからエアコンと同様こまめにつけたり切ったりせず外出時は、モード、風量を弱にして出る方がよいと思います。つけはじめは強にして温め、温まったらモードのみ弱にして使用するとよいと思います。風量はそれほど電力がかからないので調整はしなくてもよいと思います。

 

その他

質問(いわて生協 小原様) 先日の火事の報道で洗濯機が溶けるほど燃えていた、というものがありました。原因は何だと思われますか。また見えないところからの出火を防ぐものがあれば教えてください。

【回答】
(小島) 一番考えられるのはトラッキング火災です。コンセントの半差しに埃が付きショートして火災が起こります。テーブルタップなどであればトラッキング火災を予防するために差し込みプラグに黒のコーティングがありものがあります。
洗濯機そのものの火災の原因の1つには経年劣化が考えられます。

 

(三菱 神郡様) 洗濯機は必ずアースを取ってください。基本的にはブレーカーが落ちますが。
今回の火災は調査中ではありますが。アロマオイルがついていて乾燥の時に発火した可能性があります。斜めドラムでは乾燥のところの埃から発火ということがあります。しっかり埃を取ってお手入れをしていただきたいと思います。経年劣化の時は事故の前に異臭がしたりしますので注意してください。過去には防水加工3㎝あるスイッチ部分の経年劣化で発火ということもあります。

 

質問(岩手県消団連 I様) 室外機のカバーはよくないですか。

【回答】
(パナ 伊藤様) カバーはしない方がいいです。結露します。空気の出入り口を遮断するのは良くないです。

(三菱 神郡様) 目隠しのカバーは絶対よくないとは言い切れませんが、風が出にくくなるものがありますので省エネから見るとよくないです。後ろと前が風の出入り口です。後ろは壁から15㎝程度は空けてください。

 

質問(岩手県消団連 S様) 介護事業に携わっているのですが、夏に高齢者宅に訪問するとエアコンが暖房設定になっているという報告が何件かありました。第三者でも気を付けられることがありますか。

【回答】
(小島) 自動モードで、これだけ押せば温度に合わせてモードを変えるエアコンがグレードの高い機種にはあります。その場合は『これだけ押してね』と言っておけばよいです。

(パナ 伊藤様) 自動モードがついていても、暖房のボタンを押してしまうと暖房になってしまいます。ただ、エアコンは温度設定なので温度が高いときは温風が噴き出すことはありませんので、そこは安心してください。

 

アドバイス(田中)
 先日、お客様が「お風呂の暖房が暖かくない」ということで行ってみるとフィルタ―に埃がついていました。お客様は「フィルターサインがついたら掃除していた」とのこと。これ以上埃がついたら危ないというときにサインがつきますのでサインがつく前にこまめなお掃除をお勧めしました。
 10年以上使っている照明器具は痛んでおります。10年以上使っているものは器具ごと交換がお勧めです。

 今日のお話はいろいろな方に広めていただけたらと思います。